狂犬病について

今日は、狂犬病についてお話します。

狂犬病は、犬猫だけの病気ではなく、人を含めた全ての哺乳類が感染し、発病すると治療方法がなく、最後は神経症状を示してほぼ100%死亡するという、極めて危険かつ致死的なウイルス性の人獣共通感染症です。現代の医療をもってしても、世界では毎年約50,000の人と十数万の動物が死亡しているとされています。

病原体:狂犬病ウイルス Rabies virus

     ラブドウイルス科リッサウイルス属に属するウイルスの1種 です。

    ・・・詳しくはwikipediaを見ましょう♪

人における世界の狂犬病発生状況

  厚生労働省 狂犬病の発生状況参照

https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou10/pdf/03.pdf

上記の表を見ると、ほぼ全世界に分布していることがわかります。

日本とオーストラリア、イギリスと一部北ヨーロッパ以外は全滅・・・。

いかに我々が狂犬病から守られているかがわかります。

動物の場合はどうでしょう?

世界の動物における狂犬病発生状況 日本獣医師会雑誌、52:1999より

当然のようですが、ヒトの発生状況とほぼ同じです。

次に、日本の狂犬病が発生していないことについてみていきます。

1957年を境に発生してません。

わが国では、1922年に家畜伝染病予防法が制定され、犬にワクチン接種が義務付けられてから約10年で年間数件の発生までに激減しています。

関東大震災でやや増加しますが、すぐに収束。

その後、太平洋戦争で予防対策が疎かになったとたんに約1,000件が発生。

1950年に狂犬病予防法が施行され、犬に年2回のワクチン接種が義務付けられたところ、1956年の6頭の犬の発生を最後に、1970年にネパールで犬に噛まれた青年が帰国後発病死した1件を除き、今日まで、狂犬病の発生はしていません。

このことは世界で稀な快挙です。

おそらくは、狂犬病予防接種がしっかりと浸透したことと、島国であることで、狂犬病鎖国がとりやすかったこともあると思います。

船で運ばれる前に、発病して死にますから、日本に感染症を持ち込むこと自体が困難な時代でした。

大事なのは2つ。

①予防をやめるとまた蔓延する

②世界的な交流が増え、容易になった今、島国である地の利はほぼない

ということです。

上記が媒介動物のリストです。

厚生労働省  世界各地の狂犬病媒介動物 参照

https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou10/pdf/index-map.pdf

これは、どの動物が狂犬病をヒトに感染させることが多いのか?というものです。

実際に感染しているかどうか、媒介しているかどうかは別です。

日本では、狂犬病の感染経路は犬以外はあまり心配ないようです。

ここが大事です。

超大事です!

つまりは、 本病の予防には、猫にワクチンを接種しなくても、犬にワクチンを接種することで十分に予防効果があると言えます。

全ての哺乳類に感染するのに、犬だけに予防接種する理由がこれなんですね。

余談ですが、世界では、一番危ないのは何かというと、『コウモリ』なんですね。

感染経路 ほぼ咬傷、つまり、犬に咬まれたことによって感染します。

治療 上述の通り、ほぼありません。

   発病した場合、直ちに殺処分し脳組織を診断に用います。

診断 蛍光抗体法が用いられるのが一般的ですが、覚える必要はありません。

症状  狂犬病ウイルスは、発病動物に噛まれ、唾液中に排出されるウイルスが傷口より体内に侵入することによって感染をします。

ウイルスは、末梢神経から中枢神経組織にいき、そこで増殖してから各神経組織へ伝わり、最終的には唾液腺で増殖します。

発病した動物は咽喉頭の麻痺により唾液を飲み込むことが困難になります。

潜伏期間は、長く一定せず平均で1~2ヶ月です。

発病すると、非常に過敏になり、狂躁状態となって、目の前にあるもの全てに噛みつくことになります(狂躁型)。

その後、全身麻痺が起こり、最後は昏睡状態になって死亡します。

他の動物や人も基本的には犬とほぼ同じ経過で発病死します。

水を飲む時に、その刺激で咽喉頭や全身の痙縮が起こり苦痛で水が飲めないことから「恐水症」とも呼ばれています。

ここで大事なのは、潜伏期間が長いということ。

咬傷事故を起こした動物は、捕獲後2週間の係留観察が義務付けられていますが、

本当はその期間だけでは不十分なんですね。

覚えておいてほしいこと。

①狂犬病は世界的に恐ろしい病気で、日本が安全ゆえに危機感が低く平和ボケ状態だということ。予防がいかに必要で大切であるかを認識すべきである。

*ヒアリ、アリゲーターガー、セアカコデグモなど、日本にいないはずのものがいつの間にか害を及ぼすことは昨今では普通。いつまた狂犬病が日本に来るかわからないという認識をもつ。

②予防が非常に大切で、発病するとほぼ100%助からないということ

③症状は狂騒化であり、神経症状を起こすということ。

④人も動物も、咬み傷で感染するため、咬まれない、咬ませないということが大事。

 逆に、咬んだ、咬まれたがあった場合は(日本以外なら)狂犬病を想定し、一大事だということ。

*特に海外から来た動物や海外旅行中など、日本以外の接点が生じた場合は常に想定。

⑤猫など、犬以外は特に気にしなくてもほぼ大丈夫

⑥犬であっても、④に該当しないならば、ほぼ気にしなくても大丈夫

K-Vetとしては、何が伝えたいかというと、「狂犬病の予防接種は受けましょうね」ということです。愛するワンコが亡くなること、殺処分となることは避けたいですから・・・。

その病気を知ること、危機感を持つことはとっても大切です。

日本という狭い感覚ではなく、グローバルな視野を持って考えると、決して無視できない病気だと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました