ジェネリック医薬品(後発医薬品)と新薬(先発医薬品)のどちらを選ぶべきか?

まずは、定義というか、言葉の説明と、特徴を。

新薬   :メーカーが開発した『先発医薬品 』のこと。

      元祖とも言え、言葉の通り、先発です。いわゆる一般的な薬といえば、

      これを指すことが多いのではないでしょうか・・・。

      メーカーが莫大な費用をかけて開発しています。

      開発元だけあって、よく研究されており、

      データが膨大に蓄積されています。

      これが、最大の特徴というか、アドバンテージだと思います。

      悪い特徴(決して悪くはないのだが)として、価格が高いといえます。

      莫大な研究開発費を回収するためにやむを得ず、当然と言えるでしょう。

ジェネリック医薬品

      これは、先発医薬品に対して、『後発医薬品』と言われるものです。

      昔は『ゾロ薬』と言われていました。

      なぜそう呼ばれるかというと、特許権が切れた後に「ぞろぞろ」と

      各社から出てくるからだそうです。

      私は最初のころは同じという意味でゾロ目のゾロかと思ってました。

      

      わかりやすく言うと、パクリ品です。

      新薬の特許が切れた後は、どの販売会社も販売可能となります。

      同じ成分、同じ含有量で安い価格で販売参入するのです。

      当然のことながら、一般消費者は安いほうが嬉しいですから、

      どうせ同じなら・・・とジェネリックに飛びつくわけです。

      メーカーはただパクっただけなので、研究開発費用は掛かってませんから、

      安価にできるのです。

      新薬の特許は20年。延長申請して追加で5年の、合計25年です。

      その間は開発メーカーが独占的に販売するわけですが、

      そこで問題があるならば、当然データがでます。

      つまり、20年もの間、市場でデータが十分に取られた状態で、

      ゾロメーカーが販売するに乗り出していることになります。

      そのころには、すでに安全性や危険性が十分に判明しているのです。

      開発だけでなく、安全性確認なども費用が掛からないわけですね。

      注意していただきたいのは、同じなのは成分や含有量だけだという点です。

      他の添加物や基材、コーティング剤などは同じではないということです。

さて、こうしてみると、ジェネリックでいいじゃんと思うかもしれません。

結論から言うと、

K-Vetは原則として、『新薬』をおすすめしています。

例外としては、ジェネリックとして5年以上の販売期間がある場合は、それでも良いと思っています。

これは、コンサルタントとして、企業や動物病院、獣医師だけでなく、オーナーの方にも同様に言っています。

理由は以下の通り。

1.新薬メーカーの収入源を絶ってはいけない。

2.新薬メーカーの信頼性を重視すべきである。

3.本当に新薬とジェネリック医薬品が完全同一だと思うな。

4.ジェネリック医薬品のアフターサービスを疑え。

そして、獣医師の先生には

5.ジェネリックだから安いとはいえ、その分儲かるとは思うな。

1.について、

新薬メーカーが利益を絶たれると、どのメーカーも新しい薬を作ろうとしなくなります。

すると、世の中に新しい薬が出なくなります。

最終的に困るのは誰でしょう?っていう話。

昔から『薬九十倍(くすりくそうばい』と言って、薬品原価は1/90くらいです。

ビタミン剤なんかは数百倍でしょう。

つまり、皆さんが1,000円の栄養ドリンクを飲んでいたとして、原価は10円もしないってことです。おそらくは1~3円。瓶代やラベル代、輸送費のほうがはるかに高いでしょう。

ぼろ儲けじゃん、と思うかもしれませんが、そんなことはありません。

創薬というのは10~15年くらいの歳月をかけて行われます。

つまり、市場に出回るまで10年以上かかります。

その間に発生する研究開発費、特許取得関連費用などや宣伝広告費等含めると、、、

数十億になることもあります。

 *数百万で済むこともありますが。

それだけの時間と費用がかかり、なお、販売にまで行きつかないこともありますし、販売しても売れないこともあります。

そういったことを考えると、決してぼろ儲けではありません。

単体で見るとぼろ儲けの医薬品もありますが、ヒット商品の陰で、埋もれていった商品は数十倍もあるのです。

ちなみに、K-Vetも新薬開発の案件に携わり、このことを知りました。

それまでは、ジェネリック医薬品推奨派だったのが、恥ずかしい限りです。

獣医も科学者の一員であるならば、医薬品業界全体の未来を考え、目先のことを考えずに、これらを選んでいただけると嬉しいです。

2.元祖の信頼性は高いです。研究開発費に十分なコストと時間をかけ、20年間問題なく販売してきたわけです。信頼と実績は明らかでしょう。対してジェネリックはただパクっただけです。何か問題があっても、『元の薬で安全性は確認されてます。』の一点張りで、『元の薬じゃなくて、おたくの薬だよ!』という問いかけにはまともな対応が取れません。この違いは大きいと思います。

   *まぁ、ほとんど問題は起きないのですが・・・。

3.成分が同じでも、粉薬と錠剤が違うように、全く同じではありません。口腔内溶解錠は口の中で溶け、速やかに効きますが、錠剤は溶けて効果が出るまで時間がかかります。糖衣錠は糖でコーティングされているので甘いですが、そのままだと苦いことも多いでしょう。PH調整剤が入っていないと、胃酸で薬の成分が変性してしまい、十分に吸収されないかもしれません。薬というのは、単純に成分だけではないのです。

  *でも、成分がやっぱり一番大事なんですけどね・・・。

4.ジェネリック医薬品はあまりサービスはよくありません。考えても見てください。人の開発した薬をパクるメーカーですよ。研究開発費を惜しむ会社がアフターサービスなどという直接利益を増大させるわけでもない部署にコストを投じるわけがない。

しかも、確たるデータや研究開発の知見があるわけではありませんから、さきほどのセリフ同様に、 『元の薬で安全性は確認されてます。』の一点張りに終始します。

以下は獣医さんに言ってることです。

5.ジェネリック医薬品を使用することで儲かると思うな。

100円で仕入れたものを500円で売るとします。ここで、同じもの(同じようなもの)を30円で仕入れられるようになると、人間はなぜか、同じ500円で売りません。多少の罪悪感と、消費者還元サービスの精神が働くのか、200円くらいで売ろうとします。当然ですが、利益率は上がってますが、最終利益は落ちているという状態になります。粗利率は非常に大事ですが、最終的に一番大事なのは最終利益ですから、当然これは経営的に間違いといえます。

また、概して、こういう先生ほど、安価に設定する傾向があります。安いことはいいことだという信者です。獣医というのは時間拘束型の技術職です。これを忘れてはいけません。常に時給を意識しないといけないのです。1時間で診療できる件数に大きな差はでません。出たとしても、質が落ちています。1人当たりで見れる患者さんの数がそれほど変わらないのであれば、単価を上げるしかありません。自分で単価を下げるような設定をするのは間違いといえるでしょう。もちろん、薄利多売戦略はダメではありません。ただ、忙しいわりに儲からない典型例となり、悪天候などの売り上げ減少要因が発生したときに取り戻しができなくなります。なによりも、技術職ですから、自分の知識や技術を安売りするのは自分の価値がないことを認めているようなもの・・・。単価は高くあるべきです。

オーナーは一見すると、価格が高くて困ると思うかもしれませんが、獣医師はサービスの質を高めることに注力すべきだと思っています。

ぼったくりは困りますが、K-Vetが思うに、世の中の獣医師は全然見合うだけの給与を得ていません。業界全体で水準を上げる必要があると考えてます。

いまの宅配便に似ているかもしれませんね。ヤマトも佐川も料金を上げてますが、そもそもが安すぎたということです。

話は逸れましたが、オーナーも獣医師も、ジェネリックではなく、新薬を使うのが良いと思います。業界のために、そして何より犬猫のために・・・。

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