ETCO2(end-tidal carbon dioxide tension):呼気終末二酸化炭素分圧
PACO2(alveolar carbon dioxide tension):肺胞気二酸化炭素分圧(肺胞内二酸化炭素分圧)
ETCO2 は、呼気終末期の呼気中CO2分圧のことで、カプノメータで測定され、カプノグラムというグラフで表示されます。
主に換気が行えているかどうかを評価する指標として利用されます。
ETCO2の値は、PACO2 とほぼ近似しますが、通常2〜5Torr程度低い。PACO2とETCO2の差が大きくなる場合には、死腔換気やシャントの増加が考えられます。
正常な換気状態であれば、ETCO2≒肺胞内CO2分圧(PACO2)となります。
ETCO2は呼吸・循環・代謝の影響を受けるため、他の因子の評価も同時に行う必要があります。
逆を言うと、この項目で、呼吸・循環・代謝を評価できるため、非常に有効と言えます。
一般的に自発呼吸下での正常値は、35~45mmHgとされています。
低下する要因
①循環
麻酔導入時
肺塞栓症(血栓や空気、その他)
ショック(心原性、出血性など)
心内シャント
心拍出量低下に伴う肺血流量の低下
血管収縮(冠循環と脳血流量の減少)
体外循環(ECMO等)導入中
②換気
過換気によるPCO₂の低下
肺水腫
肺シャント
緊張性気胸
③代謝
体温低下
代謝性アシドーシス
④その他
人工呼吸器のリーク
過換気症候群の場合、短時間に呼吸をしすぎてしまうために酸素が過剰となり、一方で、体内で作られる二酸化炭素の量よりも肺から吐き出される二酸化炭素量の方が多くなってしまうので血中の二酸化炭素分圧(Paco2)が低下し、血液pHが上昇した状態になっています。
そのため、対応としては吸う息(吸気)の二酸化炭素濃度を高くする必要があります
増加する要因
50以上になったら明確に高いという意識はもつ。
①循環
駆血解除(プリングル法などの時)
二酸化炭素ガスを利用した腹腔鏡使用時
アシドーシスの治療
心拍出量増加
頭蓋内圧上昇
不整脈
②換気
低換気
COPD
喘息
CO2再呼吸
③代謝
シバリング
悪性高熱
重症敗血症
④その他
疼痛
CO2吸着剤(ソーダライム劣化)の消費
モニターセンサー不良
原因の対応が基本。呼吸回数や1回換気量を増加させる。あるいは、リクルートメントなど、一度陽圧をかけて肺を広げるなどを実施。
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