どこかが痛い様子の犬

診療ブログ
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どこかはわかりませんが、痛がる様子を見せるわんこが来院されました。

人間は痛いとき、「○○が痛いです」と言葉を発することができます。
しかし、動物は喋ることができません。
では、どうやって、「痛い」ということを表現するのか・・・

痛いときの症状・徴候

我々は、「犬の急性痛ペインスケール」という『動物のいたみ研究会』さんが出されている評価表や、WSAVA疼痛の判別、診断と治療のガイドラインに従って判断しています。
例えば、、、
・呼吸がハアハアする
・ケージから出ようとしない
・尾が垂れている
・特定の(かばうような)姿勢をする
・背中を丸めている
・震えている
・触ろうとすると怒る
・よだれをたらす
・持続的、あるいは間欠的になく
などがあります。
 *もちろん、これ以外にもありますし、これらが全部でるわけではありません。
  まったく出ない場合もあります。

検査

どこか痛いのではないか?と疑ったら、検査開始です。

視診

明らかな外傷・出血を確認します。
 *毛でわからないこともあるし、細かい棘などは見落としも出ます。

触診

疼痛反応・筋の反応をみます。
 *さっぱりわからないこともあります。

血液検査

どこかの臓器の損傷や、炎症、感染などを評価します。
 *筋肉や骨、組織だと、ALKP、CPK、GOT(AST)など
 *感染・炎症だと、CRP、WBCなど

レントゲン検査

ある程度、部位が疑われた場合、骨折や脱臼などは非常に有意義となります。
ただし、まったく場所が特定できない場合、やみくもに色んな箇所を撮影することにもなります。
 四肢がどうでも良いわけではありませんが、命の危険性がより高いと思われる体幹部に限定してとりあえず撮影することもあります。

疼痛の診断

さて、ここまで検査をしてもわからないことは多々あります。
むしろ、わからないことが基本とも言えます。
これは、「痛みによって、何かしらの具体的な数字が上昇する」というわかりやすい結果になることが少なく、動物本人からの主観的なデータも得られないからです。
なので、多くは推測となります。

明確に特定できた場合

運良く、ここがきっと痛いんだろう!
とわかった場合は、病名や原因の特定へと進みます。
ただ、原疾患の治療はもちろんですが、結果として対症療法としての消炎鎮痛剤はすることになります。

痛みが疑わしいものの、不明確な場合

多くがこれに該当します。
この場合、『治療的診断』がなされます。
すなわち・・・・


①痛みを疑うような所見はある
②よくわからない
③消炎鎮痛剤を投与し、安静に努めて様子を見る
④改善した!
⑤じゃあ、やっぱり痛かったのだろう

という治療をしてみて、その結果で逆に判断するという手法です。

ご家族にお願いしたいこと

まず、痛いのかな?と疑ったら、動画を撮影していただけると診察の一助になります。

消炎鎮痛剤を投与後はできるだけ安静に努めて下さい。
*動物はよくわからないけど痛みがなくなり、一見元気なることがあります。
しかし、原因が取り除かれたわけではなく、薬の効果が切れたときに悪化することがあるため、あくまでも安静に!!!

消炎鎮痛剤を投与後は、様子を観察して下さい。
改善しているのか、横ばいなのか、全く効果がないのか・・・
それによって、次なる一手が変ってきます。
是非、教えて下さい

処置・治療

さて、今回の治療は、上記を勘案して、治療的診断として、消炎鎮痛剤を投与しました。
これによって、症状が軽減するようであれば、「やはり、何らかの痛みがあったのであろう」ということが疑われます。

飼い主さんには、
「症状の軽減があるかどうか、ビフォーアフターで観察して頂くこと」
「運動制限をして、安静に努めるようにすること」
をお願いしました。


痛みが軽減すると、元気になってしまい、運動をして、薬の効果が切れた頃に状態が悪化することがあります。
したがって、『痛み止めと運動制限はワンセット』なのです。

夜間動物救急病院

夜間に夜間にペットの体調が悪くなったら、動物病院の受診をお勧めします

執筆 K-VET

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